一休寺
ご案内の御坊様の説明によれば、便所が国指定重要文化財になったのは、この一休寺の東司だけだそうだ。そういえば数ある有名トイレの大半は、重要文化財の建物の中にある。両妻入りの建物で、右側の入り口には南天が植えられ、手水鉢が設置してある。石川県でも便所の近くに南天が植えられている。「難を転ずる」とかの意味かと思っていたが、なんと南天は咳止め薬に使われるそうだ。右側に小便器が2列。藍染めの朝顔型の小便器が設置してあったそうだが今はない。もちろんこの便所、使用出来ないが、使用出来る現役の便所はなんとこの真後ろにある。便所を厳格な修行の場と考える禅宗の事、トイレの中のドラマなど、考えるすべもないが、坊さんとて人間、下痢などしたら修行もなにもないではないか!と我が妻に問いただせば、申して曰く「規則正しい生活だから下痢などしないのよ」とのたまわッた。要するに下痢など修行が足りんのだ。納得である。
東司の正面
2間半*一間半
東司 重要文化財 左側が大便所、右側が小便(小便器ははずしてある)
大便所内部は弓形欄間、舟肘木など質素な様式。便器はないがたぶん正面に向いていたと思う。
庭園
このはしわたるな
境内の奥に「このはしわたるな」という立て札発見。有名なとんちの一休さんの禅問答。おもわず橋の真ん中を歩いて渡ったが、渡り終えて自然と顔がほころんだ。これも一休さんのご利益か?妙に素直な気分になった。
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