トイレ考
 ショウルームに展示してある和風大便器は、ショウルームを建てたときにある骨屋さんから購入したもので、かなり高いものでした。以前から依頼をしてあったので、買わざるを得なかったのですが、金沢のさる商家の上便所の便器で、家を建て直すことになったので貰って来たもの。

 この便器の金隠しには多分アジサイの葉のような大きな葉っぱに雀という図柄で、廻りに唐草の文様をあしらっています。お世辞にも、うまい絵とはおもいませんが、かなり古いもので、いまではかなり数が減っている。

 むかしの便器は、上六、下八(じょうろくげはち) といって上便所の便器の大きさは六寸つまり18cm 下八は 24cmで作ったんですね。この寸法が今の便器の基本になっています。神便所ともいいますから 神様の尻は我々の尻よりもかなり小さい、ということになりますか。

 トイレのリフォームでお客様と話をしていて、一番気にされるトイレの位置は、もちろん鬼門の方角ですが、もう1箇所、仏間の近くにトイレを作るのを嫌がる人が意外と多いんですね。トイレのバリアーフリーというのは、段差の解消、手摺の取り付け、等でたいてい話しが済んでしまいますが、この部分にトイレを配置することでお年寄りに優しいトイレが出来るとおもいます。なぜかというとお年寄りの部屋は仏間の近くにあるからですね。

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